今回、訪問させていただいたのは、東みよし町で代々下駄づくりを営まれている「斉藤桐材」です。東みよし町は、阿讃山脈と四国山地に囲まれ、豊かな土壌と豊富な雨量を背景に、古くから林業が営まれており、町内には木材を加工する製材所が点在しています。

この町で、桐下駄を製造している斉藤桐材では、カーボン・オフセット商品として「ミニお守り下駄」を販売しています。「ミニお守り下駄」ってどんなものでしょう?社長の斉藤雄二さんご夫妻にお話をうかがいました。

斉藤桐材

—— 「カーボン・オフセット」の活動に参加されたきっかけは?

3〜4年前に、以前からおつきあいがあった徳島大学の石田先生に紹介されたのが最初です。石田先生は「徳島カーボン・オフセット推進協議会」の運営理事をされている方なのですが、初めてお話を聞いた時は、正直「カーボン・オフセット???」って感じでした。

しかし、私どもも木を使って仕事をしていますし、徳島の森を守るという取り組みには賛同するところも多かった。
まあ、正直なところ「先生との信頼関係があったからご協力しようかな…」というのが最初のきっかけですね。

—— とてもかわいい「ミニお守り下駄」ですが、由来も興味深いですね。

その昔「お守り下駄」は、履いていくものと、途中で履き替えるもの、さらにもうひとつ自分が無事帰ってこられることを願って作られたと言われています。

江戸時代には、「お守り下駄」をお伊勢参りなどの道中の安全祈願として、小さいわら草履をぶら下げて行っていたんだそうです。
小さいのでそんなに荷物にならないし、かわいいでしょう?

—— 「ミニお守り下駄」の制作は奥さまの発案だとお聞きましたが?

最初は、私が遊びというか、趣味で作っていたんです。メインの下駄を作る際に端材が出るので、「これで小さい下駄を作れないかな?」と。 既成の鼻緒だとパターンが決まっているので、いろんな布でオリジナルの鼻緒を作ってみました。
着物の切れ端からスタートして、次にネットで小さい柄の布を買ってみたり…。長襦袢の生地を使ったものもありますよ。「阿波しじら」で使った鼻緒も好評なんです。

—— こういった端材を使ったものづくりもエコの一環ですよね。

そうですね。無駄にしないように…。でも今ではご注文をたくさんいただくようになったので、端材だけでは足りなくなってきました(笑)。

斉藤桐材では、その名の通り「桐」で下駄を制作されています。
なぜ「桐」なのか?その理由をお尋ねしました。

—— 下駄づくりに「桐」を使われているのはどうしてですか?

第一に「軽い」こと。
国内では杉や檜でも作っているようですが、桐は軽いので履いていても楽なんですよ。
また吸湿性がよいので、夏場に素足で履くときも汗を吸い取り気持ちがよい。
最近は若い人が夏に浴衣を着る機会が増えてきているので、夏が忙しくなってきています。
心地よさを実感していただいている方も多いんじゃないでしょうか。

—— 桐は国産を使われているんですか?

2、30年前までは国産ばかりだったのですが、高齢化などで製材をする人も少なくなり、今は1割が国産で、9割が中国からの輸入となってます。
中でも品質が良い山東省と安徽省で原木を伐採後、乾燥して角材の状態で送ってきてもらいます。すべての工程に約8ヶ月から10ヶ月かかるので、規格や厚み、品質などを1年前から細かく指定してオーダーをかけています。

—— 斉藤さんは3代目ということですが、当初から下駄づくりをされていたんですか?

昔はこのあたりに家具屋さんも多かったので、下駄とともに家具も製造していたんですが、今では家具はほとんど作らなくなり、下駄1本でやってます。
私が子供の頃は、旧三好郡だけでも30〜50軒の下駄屋があったと聞いています。おそらく昭和初期の頃だろうと思いますが。
今では、下駄屋は徳島県内ではうちだけ。

全国的にも減ってしまって、四国ではさぬき市に2軒、関東では茨城・静岡にあるくらいでしょうか。南九州の方では杉材で作っているようですね。

ここで手作りされている下駄は、和装小物関連のブランドとして大変人気のある、
京都の「SOU・SOU」でも販売されています。

—— 京都で人気の和装ブランド「SOU・SOU」との出会いは?

取引をはじめて4、5年になります。社長の若林さん自身、下駄が好きで1年中履かれているような方。 オリジナルの鼻緒を使ったこだわりの商品作りをしたいということで、うちを気に入っていただいたのがはじまりです。
レザーの鼻緒を使ったり、SOU・SOUの焼き印を押したり、オリジナルの商品を次々と制作しています。
SOU・SOUとの取引がはじまったことで、私たちも鼻緒についていろいろ勉強になったし、若い人たちの感性を知り、新しいもの作りに反映していくことができていますね。

—— どういった方々が下駄を購入されているんでしょう?

SOU・SOUなどの和装小物屋さんでは、30代女性の方などが多いようです。
昔は持っている着物に合わせて鼻緒を買って、それを下駄につけるといった流れが主流だったのですが、今は個性的なオリジナルの鼻緒がついた10,000円前後の下駄を買われる方が多いのかな。 一方、3〜5,000円ほどの下駄は、お若い方から年配の方まで幅広い層の皆様にご利用いただいています。

SOU・SOU

—— 今後取り組んでいきたいことなどはありますか?

今は、同じ町内の企業に依頼した「インクジェット印刷したシート」を、下駄に貼り付けたりしています。
これまで木目だけだった下駄に自由なデザインを施すことができるので、鼻緒との組み合わせや、お客様のニーズに合わせた商品作りの幅が大きく広がると考えています。今後も異業種の方々と交流することで、新しいオリジナル商品を生み出していきたいですね。

斉藤桐材「下駄屋さん」

こうして3代続く「斉藤桐材」の下駄作りは、もうすぐ4代目となる息子さんへと引き継がれていくとのこと。 「桐」という木の特性を生かした下駄作りは、新しい感覚を持った取引先とのコラボレーションや、ネットを活用した販路の開拓など新しいステップへと進み始めているようです。

どこで買えますか?

徳島では四国八十八カ所の第十番札所「切幡寺」のお土産物屋さんや「吉野川ハイウェイオアシス」で販売しています。また、金沢の兼六園や、浅草の仲見世通り、全国の物産展などでも販売しています。
お求めは下記ホームページをご覧ください。

斉藤桐材「下駄屋さん」:http://www.geta-shop.co.jp/
京都の和装製造販売ブランド「SOU・SOU」:http://sousounetshop.jp/

なかなかのインパクト!「1本歯下駄」も大人気です。

履くだけで全身の関節や筋肉をフル活用し、筋力強化とバランス感覚がアップする「1本歯下駄」。 これはバランスを取るために歯が1本になってるんです。前半分しかないですから、バランスを取らないといけない。
それが背骨の矯正とか筋トレなどに効果があるんだそう。効きそうですね〜!
室内でも履けるように裏にゴムを貼っているのですべらないし、フローリングを痛めることもありません。お求めは下記の「下駄屋さん」(ネット販売)でどうぞ。

http://www.geta-shop.co.jp/

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