訪問記 第1弾は、つるぎ町半田の北室白扇(きたむろはくせん)。吉野川と四国山脈に挟まれた静かな町には、そうめん製造の看板が立ち並んでいます。

その中にある少し風流な名前の「北室白扇」。ここで作るそうめんは、子育てママ雑誌で紹介されたり、渋谷ヒカリエやクロワッサンの店 大阪あべの橋などでも販売されているそう。「北室白扇」とはいったいどんなところなんでしょう?

3代目の北室 淳子さんにお話をうかがいました。

有限会社 北室白扇 北室 淳子

有限会社 北室白扇 北室 淳子

—— どんなそうめんを作っていますか?

北室白扇では、太口麺にこだわってそうめんを作っています。そうめんなのに太くて、腰が強くて、喉ごしが良いのが特長です。主に百貨店とか、こだわり食材のお店を通じて全国にお届けしています。

口コミで少しずつ広まっている・・・という感じです。
例えば、2013年1月号の子育てママ雑誌nina’s(ニナーズ)では、MEGUMIさんが紹介してくださいました。MEGUMIさんは夏は冷やしぶっかけで、冬は温かいにゅうめんで食べてくださっているようです。このように、県外にお住まいの方でも、一度気に入っていただけると、またリピートしてくださるのがうれしいですね。

—— こだわりのそうめんなんですね

国産の小麦粉、鳴門の塩、国内で精油をしている食用なたね油など、吟味した材料を集めて作っています。一部工程は機械を使いますが、最後は人の手で延べています。人の手で延ばすという工程が、そうめんのコシや喉ごしの良さにつながっています。

また、板状にして裁断する作業や、よりをかける工程などを丁寧に行うことで味がグンと変わってくるんです。添加物は使っていないので、お子様にも安心して食べていただけますよ。赤ちゃんの離乳食にもおすすめです。

北室白扇 そうめん

—— 「北室白扇」という名前の由来は?

北室は私たちの名前から、白は、そうめんそのものを表す白。
扇は、そうめんを通して、幸せが末に広がりますようにとの願いを込めて名付けました。幸せの願いが込められた”白扇”をお届けできるよう、引き出物にあう商品もご用意しています。

—— カーボン・オフセットのことを知ったきっかけは?

数年前、半田中学校の生徒や地域の皆さんが森の保全に取り組んでいる「ケンヂの森」の活動があった際に、カーボン・オフセットのことをはじめて知りました。
当時の校長先生は中学時代の恩師で「北室さんならカーボン・オフセットの活動に興味があるのでは?」と勧められたのも大きなきっかけになりました。私自身、次の時代の子どもたちに、ちゃんとした形で山や川を引き継ぎたいという思いは前からありましたし。

—— どの森に興味がありますか?

カーボン・オフセットのしくみによって、どんな森林保護ができているのか興味があります。
私たちは吉野川沿いでそうめんを作っていますので、やはり吉野川の水源となっている森を守りたいですね。吉野川源流の森の見学会があったらぜひ参加したいです。

—— それでは、そうめん作りについて教えてください。何日くらいかかりますか?

ねる・延ばす・熟成などの工程を何度も繰り返すのでけっこう時間がかかります。小麦粉の状態から、乾燥して束にするところまで含めると約3日ですね。全体の工程はこんな感じです。

1.こね前工程

2.板切

3.荒より・小より

4.掛巻(かけば)

5.小引き

6.小分け

7.門干し

8.切断

9.計量 結束 箱詰

※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。

  • 1.こね前工程:小麦粉に、気温や天候に合わせて作った塩水を入れミキシング。
    ◎熟成1回目 1回目の熟成に入る。
  • 2.板切:ローラーを通して1枚の板状にし、4枚に断裁。麺圧したものを2枚重ね、さらに圧力。
    ◎熟成2回目 麺圧を繰り返しながら2回目の熟成に入る。
  • 3.荒より・小より:麺帯をロールに通して、徐々に細い麺紐に。油を塗布して2段階に分けてヨリをかけながら巻く。
  • 4.掛巻(かけば):細くヨリをかけながら2本の棒に八の字に掛け、室箱に入る。
    ◎熟成3回目 そして、1~2時間の熟成に入る。
  • 5.小引き:長年の経験をもとに、道具を調整し効率的に延す。
    ◎熟成4回目 再び1~2時間熟成。
  • 6.小分け:室箱から出された麺紐は、およそ1.4mに延す。
  • 7.門干し:「はた」と呼ばれる道具でさらに延ばしながら乾燥。さらに1.6m、2mと徐々に引き延ばし、一昼夜かけて乾燥。
  • 8.切断:乾燥させたそうめんを、断裁機にて19cmの長さに裁断。
  • 9.計量 結束 箱詰:切断したそうめんは、100gずつ計量、結束し、金属検出機や目視による品質チェックを行ない、麺包紙に巻いて箱詰め。

北室白扇

「小麦粉・塩・油」といういたってシンプルな材料なのに、平たくしたり、大きな棒状にしたり・・・麺を仕上げていく行程はとても複雑でした。そうめんを干す写真はよく見ますが、たらいの中でぐるぐると大きな円を描く太いそうめんは、初めて見ました。

編集部がお邪魔していた日の午後。ご両親やスタッフさんと共に一斉に延ばすところも見学できました。その手早いこと!魔法をかけたようにそうめんが引き延ばされていきます。この手作業がおいしさの秘訣なんでしょうね。窓から夕日が差し込み、できあがったそうめんがきれいに輝いていました。

—— いろいろな活動をされているようですね?

そうですね。池田町のうだつマルシェなど、徳島県内外のいろいろなイベントに参加しています。今までの半田そうめんのイメージを変えたいという気持ちもあります。そのためには実際に食べていただくのが一番なんです。若い方にもどんどん試食してもらって、半田そうめんの美味しさを知っていただきたいですね。

また、D&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんの活動にもいろいろなかたちで協賛していて、渋谷のヒカリエ8/の「d47 design travel store」で販売してもらっています。「d47食堂」の季節メニューに加わるときもあります。太めでコシのある「半田手延べめん」は、食べ応えがあると東京の方にも好評なんですよ。
山あいの町から、全国へ向けて半田そうめんの魅力を発信し続けている北室さん。ご家族とともに伝統を守り続けながらも、新しい方向へ舵をきろうとしている姿に、家業を継承する新しいスタイルを見せていただいた気がしました。

どこで買えますか?

代表的な「北室白扇 半田手延べめん」の場合、徳島県内では、阿波おどり会館、吉野川ハイウェイオアシス、道の駅第九の里、道の駅貞光ゆうゆう館、東雲SINONOME、上勝百貨店などで販売しています。
東京では、渋谷 のヒカリエ8/のd47 design travel store、クロワッサンの店 大阪あべの橋店、大丸百貨店故郷美味コーナー、日本の伝統美味〜仁右衛門などで販売しています。お取り寄せもできます。詳しくは、北室白扇のホームページをご覧ください。

北室白扇 ホームページ:http://www.kitamuro.co.jp

麺つゆ以外の食べ方も試してみよう!

夏にはトマトやカシューナッツなどをあしらったサラダ風。オリーブオイルを使ったイタリアン風。胡麻を入れた鶏飯風などがおすすめだそう!コシが強いのでパスタと同じように扱えるんですって。
寒い冬には「温いの」を食べてください。とのことでしたので編集部でも試してみました。
あたたかい鍋の〆に入れてみたら、もちもちとしたコシと、しっかりした”喉越し”が最高でした!今までにない、ツルツル・シコシコ感を味わえました。鍋の〆には、うどんよりもいいかも〜♪

七夕そうめん2014

胡麻香る 鶏飯風そうめん

歩危あげとしょうがの温かい半田そうめん

阿波尾鶏と半田そうめんの水炊き

※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。

Pocket

その他の記事